水月剣友会とは「水月」の心を自分の心にするために、剣道の稽古をする友達の集まりという意味です。
「水月」とは「水に映る月」のことです。揺れる水に映る月は、歪んだ月です。静かな水に映る月は、動かない月です。濁った水に映る月は、ぼんやりした月です。澄んだ水に映る月は、きれいな月です。月はいつでも動かず、美しいのに、水によって、ゆらゆら揺れたり、汚くなったりします。水は「心」です。君たちの心です。心を動かさなければ、物事の正しい姿がはっきりと美しく見えてきます。
剣道の稽古は、叩き合いの練習ではありません。心を動かさず、心を清らかにするために行うのです。人間の心は、決して強いものではありません。すぐに驚き、怖れ、疑い、惑います。この心の動きを静めるようにするのが、剣道の稽古です。稽古を始めるときには、水月の手ぬぐいを眺め、自分の心の水に映る月が澄んでいるか曇っているかを確かめてください。
君たちが水月のてぬぐいをキリリと締めて、強く逞しく、優しく美しい心の持ち主になってくれるように願っています。 |